レインブーツの恐怖

シトシト降る夜の雨もなんかヤだなぁと思ってたんだよ。レインブーツのお陰で足は濡れてないとはいえ。寒いしさ。

最終電車で帰った夜。このマンションでは見かけない、小柄で少し疲れたような中年の男は、遅れてエレベーターに乗り込んで来るなり僕の挨拶にも答えず背中を向けた。アルコールの匂いもする。何かと物騒な世の中だし関わるのはよそう。傘の先をレインブーツのつま先に押し付けたりしているのを、男も見つめているようで不気味さが増す。

ガタンと音がし、止まったエレベーターから男が先に降りた。あれ?同じフロアなんだ。僕は男の後ろをついて行く形で長い廊下を進む。ひとつ、ふたつ、みっつ、とドアを通り過ぎた辺りから胸の鼓動は高くなる….

そしてついに長い廊下は突き当たり、僕の部屋の前に着いてしまった。

なんと、男はポケットの中からゴソゴソと鍵を取り出した!!!な、なにをするつもりだ!

「あ!あの!すみません何か僕に用事ですかっ!」

「んぁ……?」

真下の部屋に越して来たばかりの酔っ払ったオヤジだった….

「兄ちゃんのゴム長カッコええなぁ」照れ隠しのお世辞は関西弁だった。

送料無料:Rain Boot Mens を購入